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約120年ぶりの民法大改正

カテゴリ:賃貸管理

2020年4月から改正民法が施行されます。

約120年ぶりの大改正です。





私共、宅地建物取引業者にとっても実務に影響があります。

改正民法の内容を理解する必要があるため、

東京都宅建協同組合主催のセミナーに参加してきました。



重要ポイントを中心にした弁護士の先生の講義はとても勉強になりました。

賃貸借契約については、次の点が主なポイントとなります。



◆敷金に関するルールの明確化

改正前の民法には、敷金の定義や敷金返還請求権の発生時期についての規定はありませんでした。

改正後の民法では、これまでの実務に従い、敷金を「いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借について生ずる賃借人(借りている人)の賃貸人(貸している人)に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭」と定義しました。

その上で、判例に従い、賃貸借が終了して賃借物が返還された時点で敷金返還債務が生じること、その額は受領した敷金の額からそれまでに生じた金銭債務の額を控除した残額であることなどのルールを明確化しています。



◆賃借人(借りている人)による修繕に関する要件

改正前の民法では、賃借物(借りている部屋等)に修繕が必要な場合でも、
どのような場合に賃借人が自分で修繕をすることができるのかを定めた規定はありませんでした。

改正後の民法では、次の規定が新設されます。

①賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき。

②急迫の事情があるとき。

上記のような場合においては、入居者自ら修繕を行っても大家さんから責任を追及されることはないことが明確になりました。


◆賃借人の原状回復義務について

改正後の民法では、賃借人は、賃借物を受け取った後に生じた損耗について現状回復義務を負うこと、しかし、通常損耗や経年変化については現状回復義務を負わないことが明記されました。

改正前の民法にこれらの明記はありませんでしたが、国土交通省のガイドラインではこれらの内容が既に定義されていました。
今回の改正民法は判例や通説に従うものであり、実質的な変更はないと思われます。


◆保証人の極度額制度の導入

保証人が個人の場合、保証人が支払の責任を負う金額の上限となる「極度額」を定めなければ、保証契約は無効となります。

賃借人が失火や自殺した場合など、連帯保証人の責任が多額になることがあり、極度額制度は導入すべきとの説明がなされています。
昨今の契約では、個人保証人よりも家賃債務保証会社の利用が増えていますが、今後更に増加するのではないかと言われています。

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宅地建物取引業にかかわる契約書も、改正民法に対応したものを使用することになります。

私共が所属する業界団体「宅地建物取引業協会」も、業界の健全な発展のために努力しています。

私共、いち宅地建物取引業者も、日々変化・進化する社会情勢等を勉強しながら業務を行っていきたいものです。


参考:「法務省 賃貸借契約に関するルールの見直し」より

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