
賃貸物件の空室対策として、サブスク型賃貸物件の業態をとる物件もあります。
空室対策としてサブスク型賃貸物件を採用すると、メリットもデメリットもあるため、慎重な検討が必要です。
今回は、サブスク型賃貸物件でおこなう空室対策とは何か、サブスク型賃貸物件のメリットやデメリットについてご紹介します。
空室対策の1つであるサブスク型賃貸物件とは

経営している賃貸物件が空室になると、空室期間は賃料収入が得られなくなります。
賃貸経営に大きなダメージがあるため、できる限り空室状態を回避したいオーナーがほとんどでしょう。
賃貸物件における空室対策にはさまざまなものがあり、そのなかの1つがサブスク型賃貸物件です。
サブスク型賃貸物件とは、月額あるいは週額で、賃貸物件の部屋だけでなく、家具、家電、インターネット、清掃サービスなどを利用できるタイプの賃貸物件になります。
つまり、賃料のなかに、家具・家電のレンタル料金やサービスの利用料金が含まれているタイプの契約です。
サブスク型賃貸物件の特徴とは
サブスク型賃貸物件には、物件を借りる入居者側から見たさまざまな特徴があります。
通常の賃貸物件では、1つの物件に入居するために、敷金、礼金、仲介手数料などさまざまな初期費用が必要です。
サブスク型賃貸物件では、そういった初期費用が大幅に減額される傾向にあり、入居しやすい物件となっています。
また、家具や家電をオーナーが用意するため、入居者は自分でそろえる必要がありません。
好みの家具や家電になるとは限らないものの、入居にかかる費用を抑えたい入居者にとっては、魅力があります。
さらに、サブスク型の賃貸物件は、一般的な賃貸借契約よりも契約期間が短く、解約の自由度も高いです。
したがって、気軽に契約して、気軽に解約できる身軽さも特徴の1つとなります。
サブスク型賃貸物件を運営している事業者によっては、各地にあるさまざまな物件に移り住めるサービスを提供していることもあるのが特徴です。
これらの特徴から、サブスク型賃貸物件は、入居者にとってメリットが大きいタイプの業態といえるでしょう。
需要を高めて空室対策をおこなうために、サブスク型賃貸物件を取り入れるオーナーもいるのです。
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サブスク型賃貸物件のメリット

空室対策としてサブスク型賃貸物件を採用すると、入居者だけでなく、オーナー側にもメリットがあります。
賃貸物件のオーナーにとって大切なのは、所有している物件を活用して、利益を出し続けることです。
そのため、ある程度の需要と収入が見込めるサブスク型賃貸物件には、いくつかのメリットがあります。
空室対策として有効
サブスク型賃貸物件のメリットは、空室・空家対策として有効なことです。
狭小物件や築古物件のような需要が低めの物件は、そのままでは需要が低く、空室になりやすい傾向にあります。
そこで、サブスク型賃貸物件にして、家具や家電などをつけるなど付加価値を持たせることにより、需要を高める効果があるのです。
入居者は、入居者が条件に合わなくなった場合、柔軟に住居を切り替えられるため、試しに住んでみるといった利用ができるようになります。
柔軟に住み替えできる仕組みによって空室状況が改善されれば、収益性が向上する可能性があるでしょう。
賃料の高単価設定が可能
空室対策にサブスク型賃貸物件を取り入れるメリットは、賃料の高単価設定が可能なことです。
サブスク型賃貸物件の契約内容には、物件そのものの利用だけでなく、家具や家電のレンタルも含まれています。
さらに、インターネットなどのインフラの利用や、付随するサービスの利用が可能な物件もあるでしょう。
そのため、こうしたサービスをひとまとめにした価格設定が可能になり、通常の賃貸物件よりも高い賃料を設定できるのです。
サービスの内容によっては、入居者のニーズに応じた幅広い市場を開拓できる可能性もあるでしょう。
とくに若い利用者のなかでは、自分でものを所有するより、あるものを利用するライフスタイルに注目が集まっています。
サブスク型の賃貸物件は、所有より利用を重視するライフスタイルの需要にマッチしているため、空室対策としての有効性が高いです。
安定した収益の確保につながる
サブスク型賃貸物件での空室対策のメリットは、安定した収益の確保につながることです。
入居者の流動性が高い分、お試しで入居してみようと考えてくれる利用者が現れやすい傾向にあります。
そのため、前の入居者が退去してしまっても、すぐに次の入居者が現れ、収益を途切れさせなくて済む可能性があるのです。
また、短期利用を前提とする形態ではあるものの、長期利用者の囲い込みもできます。
試しに住んでみて居心地が良いと感じてもらえれば、そのまま継続して住み続けてくれる入居者もいるためです。
何人もの入居者が入れ替わり立ち替わりに入居する形でも、1人の入居者がじっくり長く住み続ける形でも、安定した収益を見込めます。
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サブスク型賃貸物件を採用するデメリット

サブスク型賃貸物件には、空室対策としてさまざまなメリットがある一方で、デメリットも存在します。
そのため、サブスク型賃貸物件の業態を取り入れる前に、デメリットも含めてよく検討する必要があるでしょう。
収益には不安定性もある
空室対策としてサブスク型賃貸物件を選択するデメリットは、収益に不安定性があることです。
サブスク型賃貸物件は、短期利用を前提とした賃貸経営の形態になります。
そのため、市場動向や競合の状況に合わせて、定期的に細かく賃料の設定を見直さなければなりません。
似た物件がより安く貸し出されているのを利用者が見つけたときに、すぐそちらに乗り換えられる可能性があります。
入退去が簡単な分、短期間で退去され、退去後のしばらくの間、次の入居者が現れないことも考えられるでしょう。
せっかく空室対策のためにサブスク型賃貸物件の形態を取り入れたのに、想定した効果を得られない可能性があるのです。
物件の管理負担が発生する
サブスク型賃貸物件のデメリットは、オーナー側の管理負担が大きくなる可能性があることです。
頻繁に入退去を繰り返されると、原状回復のためのクリーニングや修繕の頻度が高くなります。
そのため、一般的な賃貸借契約の物件よりも、管理の手間と費用がかさむ傾向にあるのです。
賃貸物件の専有部分だけでなく、共用部分の利用ルールの制定や周知徹底にも労力がかかります。
備品の管理にも細かな対応が求められるため、管理コストが高まる点に注意が必要です。
付随するサービスの内容によっては、よりサービスを提供するために、かかるコストが高くなることもあるでしょう。
サブスク型賃貸物件に適した物件とは限らない
サブスク型賃貸物件を選択するデメリットは、すべての物件がサブスクに向いているわけではないことです。
サブスク型賃貸物件の主な利用者層は、20~40代の若者層になります。
さらに、20~40代の層のなかには、通学・通勤の利便性を求める層、在宅での仕事がしやすい環境を求める層などが含まれているのです。
そのため、こうした需要に合わせて、サブスク型賃貸物件を提供する必要があります。
しかし、ターゲットにしたい層に合った条件を備えていない物件では、サブスク型に変えても、空室率を改善できない可能性があるでしょう。
どのような層に需要がありそうなのか、サブスク型に切り替えて空室対策になりそうかをよく検討する必要があります。
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まとめ
サブスク型賃貸物件は、物件とともに、家具や家電、インフラなどのサービスをまとめて貸し出す形態です。
簡単に入退去できるため、短期間でさまざまな入居者が現れて、空室率を改善できる可能性があります。
一方で、何度も賃料やサービスを見直す必要があり、管理コストも高くなりやすいデメリットに注意が必要です。

朝日ホームズ
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